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高木 梨沙

– 北の峯ハイツ 介護職員 –
富良野緑峰高校卒

 

子どもの頃から、福祉の仕事をしている母の姿を見て育ちました。特別な感情はなかったつもりなんですけど、高校1年生くらいのころには、私も福祉の道に進むんだって、ごく自然に思っていました。

インターンシップに行った施設の求人は学校に出ていなくて、目に留まったのが北の峯ハイツ。特別養護老人ホームって、すごく介護度が高いお年寄がいっぱいってイメージで、大変だろうな…とは思ったんですけど、迷いはなかったです。介護のことを何も知らない私にとっては、全てが新しい経験だし、大変であればあるほど、得るものも大きいのかな、って。あと、夜勤したほうがお給料も増えそうだしいいかな(笑)、くらいに思ってました。

入職してみての印象は…イメージ以上に大変でしたね。数字のうえで要介護4とか5とかって言うのと、実際に接するのとでは、全然違いました。ADLが低下して、コミュニケーションをとることも困難な方への支援はとても難しくて、些細な表情の変化だったり、小さな仕草から気持ちを汲み取って…、答えがないので「本当にこれでいいのかな」って、毎日試行錯誤のくりかえし。どんな場面でも的確に対応のできる先輩がいて、すごいな、って。ああいう風に自分もなりたいなって、尊敬してます。

去年から、就職説明会に立ち会う機会も増えて感じるんですけど、福祉って、やっぱりイメージは良くないんだな、って。みんなに言われます。大変なんでしょ?って。実際大変なんですけど(笑)。けど、この世界にしかないやりがいもあると思うんですよね。この間、ある利用者さんの誕生日会を、サプライズで開いたんです。入所されて1年くらい、いつも無口で、なかなか心を開いてくれなかった方が、涙を流して喜んでくれて。うれしかったですね。ああいう瞬間に立ち会えることは、かけがえのない、この世界ならではの喜びだと思っています。

 

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